「マルチスケールミューオンイメージングで『視る』:兆候から解明へ」
領域略称名: MSMI
領域番号: 25A205
設定期間: 令和7(2025)年度〜令和11(2029)年度
領域代表者: 森島 邦博(名古屋大学理学研究科)

① 領域の概要

本研究領域は、素粒子「ミューオン」の卓越した透過力を活用し、多様なミューオン計測技術と情報科学を融合・発展させることで、従来の計測限界を突破するマルチスケールミューオンイメージング(MSMI)の学理と技術基盤を確立することを目的としています。アトメートルから数億光年に及ぶ広大なスケールにおいて、素粒子の「現象」、材料の「機能」、堤防・ピラミッド・火山の「内部」、更には気象・宇宙の「環境」に至るまでの可視化を実現し、従来は兆候の観測にとどまっていた事象の可視化と解明を可能にすることを目指します。

② 公募する内容、公募研究への期待等

 本公募研究では、計画研究の枠組みを超えた領域の拡張を促進するため、計画研究との連携を前提として、以下の研究提案を重点的に募集します。

他分野技術との融合:
 異なる計測原理に基づく技術や知見と本研究領域のアプローチを統合することにより、新たな視点や理解をもたらす共同研究型の提案。特に、有用な技術やデータを有する側からの積極的な提案を歓迎します。
 補足:例えば、ミューオンによる計測のみでは捉え得ない物理量を異なるプローブ(材料研究の場合、中性子や放射光など)や手法により測定し、相補的に協力して行う研究

新手法による展開
 ミューオンの生成・加速・計測、及びイメージングの解析・対象に関する新しいアプローチによる研究提案。提案時点では独立した研究であっても構いませんが、将来的には領域内の「MSMI技術プラットフォーム」や計画研究と連携し、研究を相補的に発展させることが期待されます。
 補足:例えば、新しいミューオンの生成・加速、ミューオン加速器の小型化につながる新奇技術、宇宙線ミューオンや加速器ミューオンビームの新たな利用方法、領域が有する技術とは異なるミューオンの検出原理や計測技術・装置を用いたイメージング、数理・情報的アプローチによる新しい解析技術の開発、新しい対象に対するイメージング

 応募上限額が700万円の公募研究では、比較的大規模な装置開発や実験研究を想定しています。これまでミューオン研究に携わったことのない研究者からの意欲的な提案も歓迎します。

③ 公募する研究項目、応募上限額、採択目安件数

研究項目番号 研究項目名応募上限額(単年度当たり)採択目安件数
A01現象を「視る」700 万円
300 万円
2 件
14 件
A02機能を「視る」
A03内部を「視る」
A04環境を「視る」
B01「視る」を拡張
C01「視る」を洗練

注記

  • 研究期間は2年間です。
  • 研究分担者を置くことはできません。
  • 応募上限額は単年度当たりの金額です。
  • 応募する際には、最も関連性の高い研究項目を選択してください。複数の研究項目に関連する場合は、その旨を申請書に明記してください。
  • 採択後は、総括班の判断のもと、いずれかの計画研究と連携する形となります。
  • 研究計画調書には、応募者の有する技術や研究提案が本研究領域にどのように貢献するか、また領域内の計画研究との連携・共同研究の可能性や将来的な展望について、できる限り具体的に記述することが望ましいです。

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